中国では政府によるネット検閲が実施されており、Googleマップが使用できません。そのため、「百度地図(読み方:バイドゥマップ/baidu)」といった中国独自の地図アプリが広く活用されています。
この記事では、百度地図の特徴や使い方を解説します。中国人の百度地図の使い方やインバウンド集客に効果的な理由なども紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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百度地図(バイドゥマップ・Baidu)とは

百度地図は高徳地図(ガオドゥマップ)と並んで中国の2大地図アプリのひとつで、月間アクティブユーザー数は実に3億人以上にのぼります。
中国では情報統制を目的として、政府によるネット検閲(グレートファイアウォール)が行われています。そのため、世界で20億人以上の月間アクティブユーザー数を誇るGoogleマップにはアクセスできず、独自の市場が確立されているのです。
そのうちのひとつが「百度地図」で、訪日中国人を集客するには、Googleマップではなく百度地図への対策が求められるでしょう。
<参照>Google:Q3 earnings call: CEO’s remarks(第3四半期決算発表)
関連記事:中国の地図アプリ「高徳地図」の使い方とは?店舗や施設の登録方法や集客方法を解説!
中国人は「百度地図」をどう使う?

3億人以上が百度地図を活用するなど、中国人の日常生活に欠かせない地図アプリですが、中国人は百度地図をどう使用しているのでしょうか。
- 「ルート案内」「乗換案内」として使う
- 「周辺情報」を検索する
- 「口コミ」をチェックする
- 「ホテル」などを予約する
「ルート案内」「乗換案内」として使う
まずは、目的地までのルート案内として活用しています。たとえば渋谷駅まで行きたい場合、現在地から渋谷駅までのルートを検索すると、到着までの時間(所要時間)や最適な交通手段(電車・徒歩・タクシーなど)、料金などが表示されます。
「電車」のルートを選択すると複数の候補(ルート)が表示されるので、所要時間や乗り換え回数を比較しながら最適なルートを選ぶことができます。
「周辺情報」を検索する
店舗や施設を検索する際にも百度地図を活用しています。たとえば「渋谷駅」と検索した場合、地図上には渋谷駅周辺にある飲食店や商業施設が表示されます。
名称に加えて営業時間やWebサイト(ホームページ)などの詳細情報も確認できるので、訪日中の観光スポット検索としても活用されています。
「口コミ」をチェックする
百度地図の店舗・施設情報には、Googleマップと同じようにユーザーによる口コミが投稿されていて、この口コミを参考に目的地を決定しているようです。
McKinsey&Companyの「中国消费者报告2021」によると、中国人の約4人に3人がオンラインの口コミを気にすると回答しており、中国人にとっては店舗選びにおいて、口コミがいかに重要であるかが分かります。
<参照>McKinsey&Companyの「中国消费者报告2021中国」
「ホテルやチケット」を予約する
百度地図を使ってホテルやチケットなどを予約している中国人も少なくないようです。
たとえば百度地図を使ってホテルを予約すると、予約当日はホテルまでのルートや交通手段も案内してくれるため、知らない土地での移動にかかるストレスを大幅に軽減できます。
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百度地図がインバウンド集客に効果的な理由

中国人は訪日中も百度地図を使って目的地までのルートを検索するとともに、訪れる店舗や施設の情報を収集しています。
続いて、百度地図がインバウンド集客に効果的な理由を3つ解説します。
利用者数が圧倒的に多い
「百度メディアガイド」によると、百度地図の月間アクティブユーザー数は3億人以上を誇ります。
「高徳地図」と同じく、中国で最も利用されている地図アプリのひとつで、訪日中国人を集客するうえで、無視することのできないプラットフォームと言えます。
<参照>百度地図:百度メディアガイド
信頼性と安心感を提供できる
アクセス解析ツールの「StatCounter」によると、2024年における日本の検索エンジンシェアは約8割をGoogleが占めています。繰り返しになりますが、中国では政府による検閲によってGoogleが使えず、検索エンジン市場も独自のマーケットが確立されています。
なかでも大きな割合を占める検索エンジンが百度地図を提供している「百度」で、全体の63%のシェアを占めています。このように、百度は中国で一般的な検索エンジンであり、多くの中国人が利用しているなど、社会インフラとして定着しています。
そのため、中国人にとっては普段から使い慣れた百度地図に店舗情報が掲載されているだけで「安心感」を与えることができるでしょう。
<参考>StatCounter:Search Engine Market Share China(2024年)
機会損失を軽減できる
多くの店舗・施設事業者が集客施策としてGoogleビジネスプロフィールを活用しています。しかし、Googleマップは中国人を対象としたインバウンド対策にはならず、結果として、中国市場に対して接点を持てず、機会損失を招いていると言わざるを得ません。
Googleビジネスプロフィールとあわせて百度地図の情報も整備することで、訪日中国人の集客機会を最大化できるでしょう。
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百度地図は日本でも使える?アカウントは作成可能だが…

結論を先にお伝えすると、日本でも百度地図を利用できるものの、店舗や施設を登録するには百度地図のアカウント作成が必須です。
日本の電話番号では登録できず、中国の電話番号のスマートフォンもしくは中国電話番号付きのSIMカードを取得して登録するか、百度地図の代理店を通して店舗や施設情報を登録する必要があります。
関連記事:日本初!mov、中国最大級地図アプリ「高徳地図(ガオドゥマップ)」公式パートナーに。口コミコムと連携開始で中国インバウンド集客を強力支援
【準備編】百度地図の使い方を日本語で解説
ここからは百度地図の使い方を日本語で解説していきます。アプリ内はすべて中国語ですが、手順さえ分かれば難しくありません。
まずは「準備編」として、アプリのインストールから初期設定までの流れを画像付きで解説します。
百度地図アプリをインストール

百度地図のアプリはApp StoreやGoogle Playからインストール可能です。アプリの検索窓に「百度」や「baidu」などと入力すると、候補欄に表示されます。
プライバシーポリシー と利用規約に同意

アプリを起動すると、プライバシーポリシー(個人情報の取り扱い)と利用規約への同意を求める画面が表示されるので、「同意」をタップします。
Google翻訳を使って翻訳した文章は以下の通りです。
Baidu Mapsは地図ナビゲーションアプリケーションです。基本機能として位置情報とナビゲーション機能をご利用いただけます。これらの基本機能に必要な個人情報は、位置情報、出発地、目的地です。ご利用前に利用規約とプライバシーポリシーをご確認ください。
プライバシーポリシーへの同意は、Baidu Mapsの基本機能のご利用時に個人情報が処理されることに同意することを意味します。Baidu Mapsのその他の拡張機能をご利用になる場合は、当該拡張機能のご利用時に別途同意をいただきます。
パーソナライズ有効のON/OFFを選択

続いて、パーソナライズ有効のON/OFFを選択する画面が表示されます。
必ずしもONにする必要はありませんが、ONにすることで、過去に検索した場所やルートの履歴をもとに、トップ画面に「よく行く場所」などを自動で表示してくれるようになります。
Google翻訳を使って翻訳した文章は以下の通りです。
Baidu Mapsは、Baidu Mapsホームページでよく使われる住所やパーソナライズされたルートをおすすめするために、検索場所やルートなどの利用履歴データにアクセスする必要があります。
クリックしてパーソナライズされたルートを作成しましょう!
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【活用編】百度地図の使い方を日本語で解説

百度地図アプリをインストールし、準備が整ったら実際の画面を見ながら使い方を確認していきましょう。
目的地までのルートを調べる
地図のメイン画面(出行:移動)から、目的地までのルートの確認方法を解説します。

涩谷站(渋谷駅)」と入力し、6の「到这去(ここに行く)」をタップ

「步行(徒歩)」や「公共交通(公共交通機関)」「驾车(車)」などの中から希望の手段を選び、「开始导航(案内スタート)」をタップするとルート案内が開始される
周辺の店舗・施設を検索する

目的地を検索(または地図上でタップ)し、「周辺」をタップすると、「周辺のおすすめ(周边推荐)」の店舗や施設が一覧で表示されます。
気になる店舗や施設をタップすると、住所や距離などが表示されます。
口コミをチェックする

目的地を選択(またはタップ)すると、画像付きの口コミを確認できます。中国人はこの口コミを見て訪れる店舗や施設などの情報を収集しています。
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まとめ
百度地図は中国でメジャーな地図アプリのひとつで、公式の資料によると月間アクティブユーザー数は実に3億人以上にのぼります。ルート検索としてはもちろん、周辺の店舗・施設を検索したり、口コミをチェックしたり、インフラのひとつとして確立しています。
百度地図に店舗や施設の情報を掲載し、情報を整備することで訪日中国人集客が期待できます。
ただ、中国の電話番号のスマートフォンもしくは中国電話番号付きのSIMカードを取得して登録するか、百度地図の代理店を通して店舗や施設情報を登録する必要があるので注意が必要です。
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