中国市場向けのインバウンド施策を成功させるには、アプローチするタイミングが重要と言えます。中国向けのプロモーションを効果的に実施するには、訪日需要が集中する大型連休(祝日)を押さえておくことが重要です。
本記事では、2026年の中国の祝日・連休情報と、押さえておくべき市場動向をまとめてご紹介します。
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2026年の中国の大型連休(祝日)

まずは、春節や国慶節をはじめ中国の2026年の大型連休(祝日)を紹介します。
- 1月1日〜3日:元旦(正月)【3連休】
- 2月15日〜23日:春節(旧正月)【9連休】
- 4月4日~6日:清明節【3連休】
- 5月1日〜5日:労働節【5連休】
- 6月19日~21日:端午節【3連休】
- 9月25日〜27日:中秋節【3連休】
- 10月1日〜7日:国慶節【7連休】
元旦:1月1日〜3日(3連休)
新暦(西暦)の新年を祝う連休です。中国では旧正月(春節)が大型連休のため、この時期の旅行需要は比較的落ち着く傾向にあります。
1月4日は日曜日ですが、振替出勤日に設定されています。
春節:2月15日〜23日(9連休)
旧暦の正月で、2026年は9連休となります。
帰省や国内旅行が中心ですが、近年は海外旅行も活発化して訪日需要が増加する時期で、インバウンド担当者にとっては最も注力すべき大型連休のひとつです。
清明節:4月4日〜6日(3連休)
祖先のお墓参りをする伝統的な祝日で、日本でいう「お盆」に相当します。
春節ほどの大きな訪日需要はありませんが、日本のお花見シーズンと重なるため、桜目当ての訪日客の増加が見込まれます。
労働節:5月1日〜5日(5連休)
中国版「メーデー」にあたる連休で、日本のゴールデンウィークと重なり、訪日需要が高まります。
端午節:6月19日〜21日(3連休)
ちまきを食べたり、ドラゴンボートレースが行われたりする伝統的な祝日です。
3連休ということもあり、春節などと比べると訪日旅行への影響は比較的軽微で、近場での休暇が中心となる傾向があります。
中秋節:9月25日〜27日(3連休)
「中秋の名月」を鑑賞し、月餅を食べて五穀豊穣を祝う祝日です。
訪日は限定的ですが、直後の「国慶節」と合わせて長期休暇を取得し、日本を訪れる旅行客が増加する可能性があります。
国慶節:10月1日〜7日(7連休)
中国の建国記念日で、ゴールデンウィークとも呼ばれます。
春節と並ぶ大型連休で、訪日需要が非常に高まることが予想されます。インバウンド事業者にとっては、集客対策に最も力を入れるべき時期と言えます。
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<参照>中国政府网:国务院办公厅关于2026年 部分节假日安排的通知
集客担当者必見!中国の大型連休に向けた「受け入れ準備」6選

中国の大型連休に向けて最低限押さえておきたい「受け入れ準備」を6つ解説します。
自店舗の状況と照らし合わせながら、抜け漏れがないかチェックしてみましょう。
1. Webサイトや予約フォームの多言語表記
インバウンド客の多くは、訪日前にインターネットで情報を収集して予約まで完結させる傾向にあります。自店舗のWebサイトや予約フォームが日本語のみの場合、情報収集の段階で選択肢から除外されるかもしれません。
英語に対応するのはもちろん重要ですが、中国人を確実に集客するためには「中国語(簡体字)」への対応が求められます。
また、予約手順が複雑で分かりにくいと、途中で離脱する原因になります。訪日客がストレスなく予約まで完了できるよう、シンプルで分かりやすい設計を心がけましょう。
2. Wi-Fiの整備
無料Wi-Fiの有無は、訪日客が店舗や施設を選ぶ際の重要な判断基準のひとつです。特に飲食店や小売店、小規模な宿泊施設では、「Wi-Fiがない」というだけで選択肢から外されてしまうケースもあります。
また、設置するだけでなく、パスワード入力の手間を省いたり、SNS認証などで簡単かつ迅速に接続できる状態にしておくことも、利便性を高めるうえで重要です。
3. キャッシュレス決済の導入
中国は世界有数のキャッシュレス先進国で、一般社団法人キャッシュレス推進協議会が発表した「世界主要国キャッシュレス決済比率(2023年)」によると、キャッシュレス決済比率は日本の39.3%に対して中国は83.3%にもおよびます。
現金のみにしか対応していない店舗では、購入(利用)そのものを諦められてしまう可能性も十分に考えられます。
クレジットカード対応はもちろんですが、「Alipay(支付宝)」「WeChat Pay(微信支付)」の導入は、機会損失を防ぐために不可欠な対策と言えます。
4. メニューや案内の工夫
店内メニューや案内表示が日本語だけだと、訪日中国人は「何を注文していいか」「どう利用すべきか」分からず、不安を感じて利用をためらってしまう恐れがあります。
まずは、日本語だけでなく英語と中国語にも対応するとともに、日本語が分からなくても直感的に理解できるよう、料理の写真やピクトグラムを併記しましょう。
飲食店の場合、アレルギー情報やヴィーガン対応などを明記することで、「安心して利用できる店」として選ばれやすくなります。
メニュー表を新しく作り直すのが難しい場合、記載した料理の写真とメニュー名を壁に貼るだけでも喜ばれるはずです。
5. 多言語人材の確保・スタッフの外国語研修・翻訳機の導入
もちろん中国語を話せる人材の確保が理想ですが、現実的には難しい場合も多いでしょう。
そのような場合は、現場でよく使うフレーズをまとめた「指差しシート」を準備するほか、近年は高精度な翻訳機(AI翻訳)やタブレットも安価に導入できるため、これらを活用するのも有効です。
観光庁が実施した「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート(令和6年度)」によると、「訪日旅行中に便利だと感じたこと」として、「スタッフが英語(または自分の言語)を話せた」「コミュニケーション機器を利用できた」といった回答が多くあがっています。
<参照>観光庁:令和6年度「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」調査結果
6. 食の多様性への対応
近年、健康志向の高まりから、ベジタリアンやヴィーガン、グルテンフリーなどが世界的に広まっています。また、中国にもイスラム教徒(ムスリム)が一定数いるため、ハラル対応された食事のニーズもあります。
すべてのニーズに完璧に対応する必要はありませんが、まずは、メニューに使用されている食材(特に豚肉やアルコール)をピクトグラムなどで分かりやすく表示することから始めるだけでも、訪日客は安心して食事を選べるようになります。
なお、日本政府観光局(JNTO)の「外国旅行の動向」によると、中国では食後にお茶や白湯を飲む習慣があるので、お湯の準備をしておくと喜ばれるでしょう。
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<参照>日本政府観光局(JNTO):外国旅行の動向(中国)
中国の大型連休に向けて取り組みたい集客チャネル3選

中国本土ではインターネットの利用に制限があり、GoogleやInstagram、X(旧Twitter)、Facebookといったサービスが基本的に利用できません。
そのため中国では、検索エンジンや地図アプリ、SNS、口コミサイトなど、すべて国内独自のサービスが市場を形成しています。
では、どのようなチャネルを使って中国人にマーケティングしたらいいのでしょうか。
SNS
SNSは旅マエはもちろん、旅ナカでも情報収集として活用します。なかでも対策しておきたいSNSが「RED(小紅書 / Xiaohongshu)」と「Weibo(微博)」です。
・RED(小紅書 / Xiaohongshu)
「中国版Instagram」とも呼ばれていて、特に購買意欲の高い女性を中心に利用されています。
多くのユーザーがREDを通じて「次に行くべきカフェ」「買うべきコスメ」などを決定していて、インフルエンサー(KOL)や一般ユーザーの質の高い投稿が爆発的なブームを生み出すなど、トレンド発信源としての役割もあります。
・Weibo(微博)
「中国版X(Twitter)」とも言われるWeibo(微博)は、最新ニュースやトレンドがリアルタイムで共有されるだけでなく、企業やブランドの公式発表の場としても使われています。
公式アカウントを運用し、継続的に情報を届けることで、ブランド認知度の向上やファンの育成に繋がるでしょう。
口コミサイト
McKinsey&Companyの「中国消费者报告2021」によると、10〜60代の中国人のうち、約4人に3人がオンラインの口コミを気にするなど、中国インバウンド対策において口コミ獲得は重要な要素のひとつです。
なかでも対策したいのが、「中国版食べログ」とも称される大衆点評です。本サイト「口コミコム」の運営企業である株式会社movは、日本で3社しかいない大衆点評の正規代理店です。
大衆点評を使って集客したい店舗事業者様は、お気軽にお問い合わせください。
なお、大衆点評については、「大衆点評とは?店舗集客に不可欠な理由や使い方を徹底解説」の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてご覧ください。
<参照>McKinsey&Company:中国消费者报告2021
地図
中国の地図アプリ市場で圧倒的なシェアを誇るのが、月間8億人以上のアクティブユーザーを誇る「高徳地図(Amap)」です。
日本では多くの訪日客がGoogleマップを利用しますが、中国本土ではGoogleにアクセスできないため、「高徳地図(Amap)」がナンバーワンのシェア率を誇ります。
旅行中のナビゲーションはもちろん、周辺の店舗検索にも使われるため、「高徳地図(Amap)」を使った集客も効果が期待できます。
なお、「口コミコム」は高徳地図(Amap)とも公式パートナー契約を締結しているため、「高徳地図(Amap)」を使って集客したい方はお気軽にお問い合わせください。
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関連記事:中国の地図アプリ「高徳地図」の使い方とは?店舗や施設の登録方法や集客方法を解説!
中国のインバウンド、今どうなってる?

コロナ禍を経て回復が遅れていた中国市場ですが、2024年以降は訪日中国人数、旅行消費額ともに急速に回復しています。
まず、2024年の訪日中国人数は698.1万人(2023年比で約2.8倍)を記録。2025年に入ってからも2024年を大幅に上回るなど、引き続き好調が続いています。
旅行消費額はさらに好調で、2024年における訪日中国人の旅行消費額は1兆7,265億円に達し、国・地域別で第1位(全体の21.2%)となりました。
1人当たりの消費額が27.6万円と、コロナ前(2019年)より30%も増加し、全市場の平均より約5万円高くなっていることが要因です。
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中国の大型連休、2026年は最大で9連休
中国の大型連休は9連休の「春節」と、7連休の「国慶節」で、それぞれ訪日需要がピークを迎えるでしょう。
中国市場は依然としてインバウンド業界の重要な柱であり、その需要が集中する大型連休は、プロモーションの成否を分ける重要なタイミングと言えます。
ぜひ早めのプロモーション計画をご検討ください。