口コミコム > お役立ち記事 > インバウンド > WeChat Payとは?導入方法や費用・集客のポイントを紹介

WeChat Payとは?導入方法や費用・集客のポイントを紹介

インバウンド WeChat Payとは?導入方法や費用・集客のポイントを紹介

WeChat Pay(微信支付、ウェイシンジーフ)とは、中国版LINEとして知られているチャットアプリ「WeChat(微信)」内で利用できるコード決済サービスです。

ユーザー数は実に14億人以上を誇り、中国では多くの人がWeChat Payを決済手段として使用しています。

2025年9月にはPayPayと連携し、日本国内のPayPay加盟店でWeChat Payが利用できるようになったことで、さらなるインバウンド需要の取り込みが期待されています。

本記事では、WeChat Payを導入するメリットや決済方法、導入方法について解説します。

関連記事:中国人集客、まず何をすべき?インバウンド担当者が最初に押さえるべき基本と最新トレンド

WeChat Payとは

「WeChat Pay(微信支付)」とは、中国版LINEとして知られるチャットアプリ「WeChat(微信)」内で利用できるキャッシュレス決済サービスです。

QRコードの読み取りや提示で店舗での決済、送金などが可能で、キャッシュレス化が進む中国において、WeChat Payは生活に欠かせないツールとなっています。

WeChatのユーザー数は14億人以上

WeChatは、中国で使用されているコミュニケーションツールです。

14億人以上のユーザーを抱えるなど、中国に住む多くの人々の生活になくてはならないアプリです。

中国でキャッシュレス決済が普及する中、WeChat Payも日常的に利用されています。

財布を持たずにどこでも決済ができる点、銀行口座やクレジットカードと簡単に連携できる点、公共料金の支払いや個人間での送金、投資などもWeChatアプリ内で完結するという利便性の高さが大きな魅力となっています。

中国人集客なら「口コミコム」で→何ができるか見てみる

WeChat Payを導入するべき理由

訪日インバウンド需要の取り込みにおいて、WeChat Payの導入は必須の戦略となりつつあります。

その理由を3つ解説します。

訪日中国人集客に効果的

WeChat Payの導入は訪日中国人の集客に効果的と考えられます。

2024年の訪日中国人数は698.1万人となり、2023年(242.5万人)から大幅に増加しました。コロナ禍前の2019年(959.4万人)の水準には及ばないものの、回復基調は2025年に入っても力強く続いています。

特に2025年は、春節(1月28日~2月4日)を含む1月が98.1万人(前年比135.7%増)、2月も72.3万人(同57.3%増)と、高い伸びを記録しました。

旺盛な訪日需要を背景に、地方路線を含む航空便の増便も進んでいることから、今後も訪日客数は堅調に推移するものと見込まれます。

訪日中国人にとって使い慣れているWeChat Payを決済サービスに導入することは、彼らの集客につながるといえるでしょう。

<参照>日本政府観光局(JNTO):訪日外客統計

PayPayやメルペイと連携、日本でも使用可能に

2025年9月にはPayPayと連携し、日本のPayPay加盟店でWeChat Payが利用可能になりました(ユーザースキャン方式:MPMの加盟店でのみ利用可能)。

これにより、これまで対応していた海外キャッシュレス決済サービスと合わせ、14の国と地域で利用される計26のサービスが利用可能になります。

また、同じくメルペイおよびd払いも、両社が共同で展開する「メルペイ・d払い 共通QRコード」においてWeChat Payとの連携を開始しました。

日本国内の主要な決済インフラがWeChat Payに対応したことで、訪日中国人の利便性が飛躍的に向上し、加盟店にとってはより一層のインバウンド集客が期待できる体制が整いました。

中国人集客なら「口コミコム」で→何ができるか見てみる

<参照>

中国人のキャッシュレス決済比率は80%以上

一般社団法人キャッシュレス推進協議会が調査した「世界主要国におけるキャッシュレス決済比率」によると、2023年における中国のキャッシュレス決済比率は83.3%でした。

日本でも2018年に「キャッシュレス・ビジョン」を策定するなど強力に推し進めてきましたが、2023年時点で日本国内のキャッシュレス決済比率は39.3%にとどまっています。

この数値を見ても、中国がいかにキャッシュレス先進国であるかが分かるでしょう。

中国人集客なら「口コミコム」で→何ができるか見てみる

<参照>一般社団法人キャッシュレス推進協議会:世界主要国におけるキャッシュレス決済比率

WeChat Payを導入するメリット4つ

店舗がWeChat Payを導入するメリットを4つ解説します。

1. レジ業務の高速化

WeChat Payに限った話ではありませんが、キャッシュレス決済は、現金決済に比べて会計の手間と時間を大幅に削減できます。

特に訪日中国人観光客とのやり取りでは、不慣れな日本円での現金精算や言語の違いから、レジが混雑しがちです。

WeChat Payは、彼らが日常的に使い慣れたQRコード決済のため、非常にスムーズに会計が完了します。これにより、レジの回転率が向上し、ピークタイムの混雑緩和にもつながります。

2. 売上管理の簡素化

現金決済で発生しがちな、釣り銭の渡し間違いやレジ締め作業時の現金過不足といったトラブルを防止できます。

WeChat Payでの取引はすべてデータとしてリアルタイムで管理画面に記録されます。

これにより、日々の売上確認や集計、レジ締め業務の負担が大幅に軽減され、スタッフは他の接客業務により多くの時間を割けるようになります。

3. 訪日中国人観光客の集客力向上と機会損失の防止

WeChat Payは、中国国内で最も普及している決済インフラの一つです。多くの訪日中国人は、日本でもWeChat Payが使えることを前提に店選びをする傾向があります。

店頭や入口にWeChat Payのロゴを掲示するだけで、「中国人観光客を歓迎している」という明確なメッセージとなり、集客効果が期待できます。

使い慣れた決済手段がないことによる購入の「ためらい」や「買い控え」といった機会損失を防ぎ、購買意欲を直接的に刺激することができるでしょう。

4. 決済にとどまらないマーケティングへの活用

WeChatは単なる決済アプリではなく、14億人以上が利用するチャット・SNS機能を持つ「スーパーアプリ」です。

WeChat Payのプラットフォームを活用し、店舗のアカウントを通じて利用者に直接クーポンを配布したり、新商品やセール情報を発信したりすることが可能です。

決済をきっかけに店舗の公式アカウントをフォローしてもらえれば、帰国後も継続的に顧客とつながりを持つことができます。

これにより、リピート訪問の促進や、WeChatの「モーメンツ(朋友圈)」機能を通じた口コミ効果(情報拡散)も期待できます。

中国人集客なら「口コミコム」で→何ができるか見てみる

WeChat Payの決済方法

WeChat Payは「ストアスキャン(店舗読み取り型)」「ユーザースキャン(顧客読み取り型)」「オンライン決済」の3つの方法で決済ができます。それぞれの方法と違いを解説します。

1. ストアスキャン(店舗読み取り型)

ユーザー(消費者)が自身のスマホなどの端末にバーコードやQRコードを表示し、店舗(ストア)スタッフがPOSレジや専用端末のスキャナでそのコードを読み取る方式です。

日本の多くのコンビニやスーパー、百貨店などで採用されています。

店舗側はコードを読み取るためのスキャナ(バーコードリーダー)付きのレジや決済端末を導入する必要があります。

2. ユーザースキャン(顧客読み取り型

店舗側が提示するQRコードを、ユーザー(消費者)が自身のスマホのWeChatアプリで読み取る方式です。

ユーザーが金額を入力する「静的QRコード」と、店舗側が会計ごとに金額を表示する「動的QRコード」の2種類があります。

静的QRコード(ユーザー金額入力):

店舗が印刷した固定のQRコードをレジ横などに掲示しておく方法です。

ユーザーはQRコードをスキャンした後、自身のスマホで支払い金額を入力し、店舗スタッフが金額を確認して決済を完了させます。

導入コストが低いため、小規模な飲食店や個人商店、屋台などでよく見られます。

動的QRコード(店舗金額設定):

店舗側が決済端末やタブレットを操作し、会計金額が反映されたQRコードを会計ごとに都度生成して画面に表示する方法です。

ユーザーはその動的QRコードをスキャンするだけでよく、金額入力の手間がありません。

3. オンライン決済

WeChat Payは、ネットショッピングやオンラインコンテンツの購入など、オンライン上での支払いにも対応しています。この方式は、ユーザーが利用する端末(PCかスマートフォンか)によって決済の流れが異なります。

例えば、ユーザーがPCのブラウザでECサイトを利用している場合、決済画面に表示されたQRコードを自身のスマホのWeChatアプリでスキャンすることで支払いが完了します。

一方、スマートフォンのブラウザやECアプリで買い物をする場合は、よりシームレスな決済が可能です。

この場合、QRコードのスキャンは発生せず、ユーザーが決済時にWeChat Payを選択すると自動的にWeChatアプリが起動し、そのままWeChat内の決済承認画面(パスワード入力や生体認証)に進み、承認すれば支払いが完了します。

中国人集客なら「口コミコム」で→何ができるか見てみる

WeChat Payの導入方法と料金

WeChat Payを日本の店舗が導入するためには、導入サポートを行っている決済代行会社や代理店に依頼する必要があります。

なかでも、一般的な方法はPayPayの加盟店向けサービスを利用することです。

PayPayのQRコードを設置するだけで、WeChat Payだけでなく、計14の国と地域で利用されている26のキャッシュレス決済サービスにまとめて対応できるようになります。

導入費用(初期費用)や決済手数料、月額費用は、契約する会社により異なります。

会社によっては導入後のインバウンド向けマーケティングサポートまでサービスに含むものもあります。自店の業態や規模に合わせ、いくつか比較して検討しましょう。

中国人集客なら「口コミコム」で→何ができるか見てみる

集客するために!WeChat Pay導入後にすべきこと

WeChat Payは、導入して終わりではありません。対応店舗であることをアピールするなど、集客につなげる施策が必要です。

店頭でWeChat Pay導入をアピール

訪日中国人のWeChat Payユーザーを促進するためには、WeChat Payが利用可能であることをアピールする必要があります。

まだ導入していない事業者との差別化を図るため、自店舗でもWeChat Payが使えることを知ってもらうためにも、店頭にポスターを掲示するなどの露出を図りましょう。

キャンペーン参加で売上アップを狙う

WeChat Payでは春節や国慶節といった中国の連休にあわせて、支払額の一部金額還元などユーザーの新規獲得や利用促進を図っています。

キャンペーンをふまえた販売計画など、WeChat Pay導入による売上機会の増加も期待できるでしょう。

中国人集客なら「口コミコム」で→何ができるか見てみる

訪日中国人のインバウンド対策としてWeChat Pay導入の検討を

中国人の80%以上がキャッシュレス決済を利用することから考えても、訪日中国人を集客するためにキャッシュレス決済の導入は必須と言えます。

かつては海外決済サービスの導入はハードルが高いものでしたが、2025年9月にPayPayやメルペイ(d払い)といった国内の主要な決済プラットフォームとの連携が実現しました。

これにより、多くの国内加盟店にとって、WeChat Payへの対応は非常に身近で容易なものとなっています。

WeChat Payの導入は、回復する訪日中国人の需要を取り込むための最も効果的かつ重要な一手と言えるでしょう。

中国人集客なら「口コミコム」で→何ができるか見てみる

詳しい情報を見てみる 詳しい情報を見てみる