​​「清掃」や「朝食」の委託会社まで巻き込む。 三交インが実践する、これまで見えなかったデータや数字で現場を動かす“ワンチーム”の口コミ改善術

課長 増田様、係長 小林様

お話を伺った方:課長 増田様、係長 小林様

東海地区を中心にビジネスホテル「三交イン」を展開する株式会社三交イン。

今年7月に新設された「CS・ES推進課」が牽引するのが、顧客満足(CS)と従業員満足(ES)を同時に高めるための口コミ戦略です。

今回は、本部から現場、さらには清掃・朝食の委託会社までを巻き込み、組織全体でサービス改善に向かうための独自の「月報」活用術や、DXによるホスピタリティ向上への取り組みについて伺いました。

 

【組織】CSとESは「車の両輪」である

「やらされ仕事」にしないための組織づくり

まず、お二人が所属する「CS・ES推進課」の役割について教えてください。

増田氏(課長):

今年7月に新規で立ち上げた部署で、その名の通り「顧客満足(CS)」と「従業員満足(ES)」の両方を推進することがミッションです。

口コミ対策というと、どうしても現場は「監視されている」「やらされる」と感じてしまいがちです。

しかし私たちは、お客様からの評価が高まることで、スタッフ一人ひとりのやりがいや手応えが育ち、それがまた次の良い接客へとつながっていくと考えています。この2つは切り離せない車の両輪です。

 

現場スタッフの働きがいを高めることが、結果としてお客様のためになるわけですね。

小林氏(係長):

そうです。現場のスタッフ一人ひとりが「自ら考え行動できる」よう後押しすること。

口コミを単なる改善指摘の材料にするのではなく、お客様からいただいた評価を店舗全体の声として共有し、日々の仕事に手応えや誇りを感じられる環境づくりに活かしています。

 

【戦略】なぜ今、「口コミ」に注力するのか?

「標準化」を超えた、「差別化」への挑戦

そもそも、会社として口コミに注力する理由は何だったのでしょうか?

増田氏:

市場環境の変化です。今、ホテルの需要は戻りつつありますが、競合も増え、競争は激化しています。

ただ単にADRを追うだけでは、いずれ選ばれなくなります。「三交インだから泊まりたい」と選んでいただくためには、お客様からの評価(口コミ)を高め、ブランド力を上げるしかない。それが最終的に利益を生み、スタッフの給与や待遇改善にも繋がるというサイクルを描いています。

 

口コミ活用を通じて、どのような状態を目指しているのですか?

増田氏:

私たちが目指しているのは、「Heart & Speciality(心のこもったおもてなし)」の体現です。ビジネスホテルチェーンとしてサービスの「標準化」はできていますが、それだけでは他社との差別化になりません。

標準化されたサービスの上に、どれだけプラスアルファの温かみや気遣いを乗せられるか。口コミはお客様がその「プラスアルファ」を感じてくれたかどうかの答え合わせであり、「標準化の、その先」へ進むための重要な指標だと捉えています。

【運用】「月報」で委託業者も巻き込む

定性的な「声」を、AIで「数値」に変える

具体的にどのような運用をされていますか?

増田氏: 

毎月、各店舗の支配人以上に「月報」を送っています。 これまでは売上報告がメインでしたが、そこに口コミコムのAI分析データを加えて共有するようにしました。 これにより、清掃や朝食といった大きなカテゴリだけでなく、これまで見えていなかった細かいサービスの評価まで可視化できるようになったのが大きかったですね。

 

詳細が見えるようになったことで、変化はありましたか?

増田氏: 

はい。特にビジネスホテルにとって生命線である「清掃」や「朝食」の委託会社との連携が変わりました。 これまでは「なんとなく清掃の評判が悪いです」とか、お客様からの定性的なコメントを一つひとつ伝えても、それが全体の問題なのか、たまたまなのかが伝わりづらく、なかなかピンときてもらえなかったんです。

 

そこで口コミコムの出番だったわけですね。

増田氏: 

その通りです。口コミコムのAI分析機能は、バラバラに投稿される定性的なコメントを、「清掃」「朝食」といったカテゴリごとに自動で分類し、定量的なスコア(数値)として可視化してくれます。 「一部のお客様が言っている」ではなく、「先月より清掃スコアが〇ポイント下がっています」と客観的な数字で示すことで、数字という共通言語ができたことで、委託業者様とも「ワンチーム」になれたのは大きな成果ですね。

 

【導入背景】「利益」と「給与」の源泉を作る

属人化していた意識を統一し、好循環を生む

改めて、口コミコム導入のきっかけは何でしたか?

小林氏: 

以前はMEO対策について、全社的な取り組みレベルには至っておらず、一部の店舗で試験的にやっているような状況でした。 何より課題だったのが、「口コミに対する意識の属人化」です。 熱心に口コミを見て改善しようとする支配人もいれば、そこまで手が回っていない支配人もいる。この温度差を埋め、全社一丸となって取り組む必要がありました。

 

導入によって、どのような状態を目指したのですか?

小林氏: 

目指したのは、「MEOで露出を増やし、口コミ評価を上げて成約率を高め、収益を上げ、それをスタッフの給与や設備投資に還元する」というサイクルです。 この好循環を作るためには、口コミを一元管理し、かつ分析までできるツールが不可欠だと判断しました。

 

 現場の支配人の反応はいかがでしたか?

小林氏: 

導入当初は、新しい取り組みに対する戸惑いや不安も一部に見られました。これはどのツール導入においても起こり得ることであり、業務への影響を慎重に考える現場ならではの反応だと受け止めています。 だからこそ、本部と現場が同じ方向を向き、理解を深めながら進めていくことが定着には欠かせないと考えました。

 

そこでどうされたのですか?

小林氏: 

導入決定後に各店舗の支配人を集めた説明会を開催し、口コミコムの担当者様に登壇していただいたんです。 私たちが説明するよりも、プロである担当者様から第三者視点で「なぜ今、口コミが重要なのか」「MEO対策がどう利益につながるか」をロジカルに解説していただいた方が、納得感がまるで違いました。 単なる機能説明ではなく、「現場がやるべき理由」を腹落ちさせてくれるサポートがあったおかげで、支配人たちの意識がガラッと変わり、スムーズな導入につながりました。

 

【展望】「フロント越し」から「お客様の隣」へ

DXで生まれた時間を、人にしかできない接客へ

今後、どのようなホテルを目指していかれますか?

増田氏:

今、社内では「省人化」が進んでいますが、それは決してサービスを簡略化することではありません。

自動チェックイン機などで手続きを効率化し、カウンターの中から出て、ロビーでお客様の隣に寄り添うような接客を強化したいと考えています。

 

そこで口コミコムがどう役立ちますか?

小林氏:

口コミ分析や返信業務を効率化することで、スタッフが本来やるべき「接客」に集中できる時間を生み出せます。

また、お客様が何に感動し、何に不満を持っているのかという「生の声」を分析し続けることで、独りよがりではない、本当の意味で寄り添ったサービスが提供できるはずです。

 

集客面での展望はいかがでしょうか。

小林氏:

これまでは口コミの管理・分析が中心でしたが、今後は「MEO対策(集客)」も強化していきたいですね。

具体的には、他部署にいるSNS担当のメンバーなども巻き込んでいこうと画策しています。SNSの発信力と口コミコムの機能を掛け合わせて、マップ上での露出を最大化していく。

CSとES、そして集客を高めるための羅針盤として、これからも活用していきたいですね。