口コミは「未来のFAQ」。 SANUが実践する、“攻め”の口コミ戦略と活用術

写真右から、齋藤氏、赤木氏

お話を伺った方:写真右から、齋藤氏、赤木氏

Live with nature.」をコンセプトに、自然の中にあるもうひとつの家「SANU 2nd Home(サヌ セカンドホーム)」を提供する株式会社SANU。 「自然と共に生きる」というライフスタイルを次世代へ繋ぐべく、現在はサブスクリプションだけでなく共同所有ができるCo-Ownersや、1泊からのゲスト宿泊(Stay)展開しており、より多くの人々へ自然の中での暮らしを届けています。 今回は、同社でStay事業およびサブスクリプション事業の成長を担う齋藤氏にインタビュー。 顧客体験の迷いをなくすための口コミ活用術から、エンジニアや建築チームをも巻き込む全社的な施設改善に向けたデータ活用、そして「口コミコム」を選んだ決め手まで、無人施設運営のヒントとなるお話を伺いました。

 

【戦略】なぜ今、口コミなのか?

営業担当の一言がOTAハックの突破口に

まず、口コミ管理に注力し始めた背景を教えてください。

齋藤氏: 私は現在、サブスクリプションだけでなく、より幅広い方にSANU 2nd Homeの世界観を届けるための「Stay事業(1から泊まれるサービス)」の拡大にも注力しています。 その中で、今年のテーマとして掲げているのが日本一OTAをハックすること。 1泊たりとも無駄にしないようレベニューを最大化するためには、インバウンドを含めた新規顧客の獲得が必須です。そこでOTAの掲載ロジックを解析し、写真やプランなど倒せるレバーは全て倒そうとしています。 その上で、口コミ(レビュー)は重要な変数です。また、1泊のゲストであっても「都市から自然の中の暮らしをはじめてくれた方」だと捉えており、その滞在で感じた違和感や心地よさも、次に訪れる誰かの暮らしを良くする声だと考えています。

 

SANU 2nd Homeにおいて、口コミはどのような意味を持つのでしょうか。

齋藤氏: SANU 2nd Homeは無人運営が基本です。スタッフが現地にいない分、ゲストがどう感じているか、設備の不備はないかといった温度感を知る術が限られます。セカンドホームは完成品ではなく、住まい続けながら育っていくもの。そのため、Googleマップなどの口コミやゲストの声は暮らしを更新し続けるための大切な会話だと考えています。

 

そこで口コミコムを選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか?

齋藤氏: 単なる管理ツールではなく、戦略的なパートナーになり得ると感じたからです。 実は導入前、営業担当の方からGoogleマップの認知力の向上やOTAの掲載順位が決まるロジックについて、かなり深い部分までレクチャーしてもらいました。口コミの件数や質がどう影響するのかという裏付けとなる知識を共有してもらえたことで、「これなら一緒にMEO対策をやりきれそうだ」と確信できたのが大きかったですね。

 

【組織】「口コミ隊長」任命と権限委譲

直感的なUIが、インターンの即戦力化を支えた

実際の運用体制について教えてください。

齋藤氏: 実は、僕自身は運用していません。優秀なインターンの学生に「明日から君が口コミ隊長になってくれ」とオーダーし、ほぼ全権を任せています。 彼女へのリクエストは2つだけ。誰よりも口コミに詳しくなることと、誰よりも口コミにコミットすることです。

 

インターンの方に任せて、すぐに運用は軌道に乗りましたか?

齋藤氏: 驚くほどスムーズでした。これは口コミコムのプロダクト画面が直感的で分かりやすかったことも大きいと思います。 専門知識がない状態からのスタートでしたが、分析画面も見やすく、彼女自身がすぐに操作に慣れてくれました。 今では彼女がダッシュボードや、気になった口コミのキャプチャを撮って、約70名のメンバーが入っているSlackチャンネルにどんどん投稿してくれています。

 

そこで社内の反応はいかがですか?

齋藤氏: 「口コミ=マーケティング担当の仕事」ではなく、全社の共通話題になりました。 Slackに流れてくる分かりやすいデータや生の声を見て、エンジニアや建築に関わるチームが「次はここを直そう」と自発的に反応する。 情報がバラバラにならず、一つのツールを軸に社内のコミュニケーションが生まれたのは、導入して一番良かったことです。

 

【連携】エンジニア・施設開発チームを動かす 

感覚ではなくデータで改善する

具体的に、他部署と連携して改善に繋がった事例はありますか?

齋藤氏: エンジニアチームとの連携で言うと、チェックアウト動線の改修ですね。 今までレビュー依頼の導線が弱かったのですが、エンジニアがチェックアウト画面のUIを変更し、自然な形でGoogleマップへの投稿を促す仕組みを追加しました。 その結果、口コミの投稿率が約40%も向上しました。エンジニア自身も、口コミコム上で成果が数字として可視化されるので、改善して嬉しいと言っていましたし、数字として成果が見えることで「誰かの滞在が、次のSANUをつくっている」という実感を持てるようになりました。

 

建築チームとはどのような連携を?

齋藤氏: 建築チームには、水回り、インテリア、外観といった項目ごとの評価やキーワードを分析して共有しています。 「駐車場がわかりにくい」「インテリアのこの素材が良い」といった具体的なフィードバックを渡すことで、次の施設を開発する際に、感覚ではなく「お客様の声」に基づいた設計が可能になります。SANUでは創業当初から、滞在レビューを建築・テック・運営が横断的に共有し、次の改善につなげる文化があったので、自然と連携が広がっていったんです

 

【運用】口コミは「未来のゲストのFAQ

問い合わせを減らす返信の極意

ネガティブな口コミが入った際は、どのように対応されていますか?

齋藤氏: ネガティブな口コミが無いことが一番ではありますが、ネガティブな口コミが入ってしまったときは、未来のゲストへの情報提供の機会だと捉えています。例えば、一部の予約サイトの仕様上、どうしてもメッセージが届きにくく、お客様からチェックイン方法がわからなかったと低評価をいただいたことがあります。

 

現場としては辛い部分ですね。

齋藤氏: 当然丁寧にお詫びをするのですが、単に謝るのではなく、「予約サイトの仕様上、メッセージが届かないケースがございます。その場合は〇〇をご確認ください」と、理由と解決策を丁寧に返信に書きます。 そうすると、それを見た未来のお客様が事前に予習して自己解決してくれるようになり、結果として問い合わせ自体が減るんです。

 

なるほど。返信を「未来のゲストへの説明書」として使っていると。

齋藤氏: その通りです。インターンの口コミ隊長は「後から見た人がその返信を読めば、課題が解決されるように書こう」という信念を持って対応してくれています。 返信は、目の前のお客様への手紙であると同時に、全世界に公開されるFAQでもある。この意識を持つだけで、口コミ対応は守りから攻めに変わります。

 

【展望】Googleマップを予約の加速装置へ

最後に、今後の展望と口コミコムへの期待を教えてください。

齋藤氏: OTAで認知を取り、興味を持った方がGoogleマップで詳細や口コミを確認し、最終的に公式サイトで予約する。この流れを強化し、Googleマップを公式サイト予約への加速装置にしていきたいと考えています。

 

口コミコムがお役に立てそうなことはありますか?

齋藤氏: たくさんあります(笑)。より細かい分析など、やりたいことは尽きません。 でも一番は、導入時のように「この数値をこう改善すれば、結果が出る」というノウハウを共有し続けてくれることですね。 単なるツール提供にとどまらず、1泊利用やサブスク事業のさらなる成長に伴走してくれるパートナーとして、これからも頼りにしています。