口コミコムの活用で、インバウンド対策や人事採用面のヒントも見えてきた
お話を伺った方:取締役 営業部 次長 池田寛誠さん
大阪・兵庫・奈良にてラーメン店「河童ラーメン本舗」を展開する、株式会社河童ヌードル / 関西フードサービス株式会社。口コミサイトの一括管理ツール「口コミコム」を導入し、集客やサービス向上などに役立ててきました。2023年7月には大阪なんばパークスサウスへの出店を予定するなど、着実に事業成長を続ける同社では、口コミコムをどのように活用しているのでしょうか。今回は、株式会社河童ヌードル / 関西フードサービス株式会社 取締役 営業部 次長 池田さんにお話を伺いました。
Googleビジネスプロフィール活用の契機は、コロナ禍によるマーケティング予算減
Googleビジネスプロフィールの運用に注力し始めたきっかけを教えてください。
きっかけは、コロナによる影響を受け、社内のコスト削減でした。弊社は元々マーケティングに力を入れており、覆面調査のサービスを活用して店舗の実態や利用者の声を把握していたのですが、コロナ禍でマーケティングの予算を抑える必要がありました。
ただ、限られた予算でも、より良い店舗づくりのためには現場の実態の把握を諦めたくありませんでした。そこで注目したのが、Googleマップの口コミです。より多くの声を集め、効果的に事業へ活かせるよう、Googleビジネスプロフィールの運用に、注力し始めました。
実際にGoogleビジネスプロフィールを運用してみてどうでしたか?
当時の飲食業界は時短営業などを求められていたこともあり、時間は沢山あったので、Googleビジネスプロフィールについて自分で調べながら使っていました。
ただ、社内で広報関連業務を担っていたのは私一人だったので、店舗ごとのアカウントを管理するのがなかなか大変で。コロナ禍で変化する営業時間などの情報を更新するだけでも、相当な時間がかかっていました。
口コミコムで、お客様の声を迅速にサービス改善へ繋げられるように
河童ヌードル様には、株式会社movが提供する口コミサイトの一括管理ツール「口コミコム」を導入いただいています。導入によって、どんな変化がありましたか?
まずは、複数店舗の情報を一括管理できるようになったのがとても良かったですね。作業効率が上がったので、投稿された口コミや写真の確認、検索キーワードの分析など、必要なことに時間を割けるようになりました。
加えて、出前館の口コミまで管理画面で確認できる仕様も、コロナ禍の当社を大きく支えてくれました。というのも、デリバリーやテイクアウトのサービスは、当社にとってコロナ禍で初めての挑戦だったんです。励みになるようなお客様の声はもちろん、「家に届いた時には料理が冷めてしまっていた」「オーダーした商品と違うものが届いた」などの声も、営業改善のヒントとしてありがたかったですね。
コロナ禍をきっかけとして、感染対策など、お客様が飲食店に求めるものが急激に変化しています。そんな中でも、口コミコムを使って変化するニーズをキャッチアップし、サービスへ活かすことができたと思っています。
検索キーワードに見る、インバウンド需要回復の兆し
情報更新や口コミ管理以外に活用している口コミコムの機能などはありますか?
検索キーワードも、口コミ等と同様、少なくとも週に1回は確認しています。最近はハングル文字での「ラーメン」の検索が増えていて。2023年2月現在、2022年10月と比べて5倍くらいの検索数になっています。
実際に現場からも「韓国のお客様が多い」という報告があがってきていて、インバウンド需要が回復傾向にあることは検索キーワードからも把握できるんです。
今年の夏には外国人旅行客の利用も見込める大型商業施設での店舗オープンを予定しているので、さらなる変化が楽しみです。
検索数や反応数(※)などもチェックしていますか?
はい。この1年、検索数も反応数もかなり伸びてきています。
コロナ禍から回復するタイミングで、こうした施策をやっておいてよかったと思います。
※検索数…検索結果にGoogleビジネスプロフィールが表示された回数。
反応数…Googleビジネスプロフィールが表示された後、「ウェブサイト」「電話」「経路案内」などのアクションに繋がった回数。
ただし、この伸びがすべて施策の効果なのかについては少し慎重に見ています。例えば、関西ローカルのテレビ番組で取り上げていただいた時には、やはり直接検索の数(※)がぐっと伸びましたしね。
データだけではなく、現場からの声なども踏まえ、様々な角度から考察するようにしています。
※直接検索の数…店舗の名前で検索された回数。
マーケティングは継続が重要。ツールはサポートの手厚さで選ぶべき
口コミコムのサポート面に関してはいかがですか?
導入したら終わりではなく、しっかりと伴走してもらえるのでとても助かっています。
私たち店舗側はどうしても、マーケティングやプロモーションなどが後回しになりがちです。目の前の店舗営業を優先せざるを得ないケースも少なくありません。
しかし、口コミを活用したマーケティングは、継続することがとても大切で、すぐに結果が出るものではないですよね。
そんな中、当社が粘り強く取り組み続けられたのは、口コミコムの手厚いサポートがあったからこそです。口コミコムのカスタマーサクセスの方々が、最初のゴール設定から振り返り、次のゴール設定までの機会を積極的につくってくれるので、うまく活用できるようになってきたのだと思います。
店舗がマーケティングを強化したいなら、自分たちが続けやすい仕組みや環境がとても大事ですよね。口コミ管理のツールはサポートの手厚さで選ぶことをおすすめしたいです。
今後は、人事評価や採用・育成施策にも活かしたい
口コミコムを活用して、今後どんなことに取り組んでいきたいですか?
当社が今、一番頭を抱えているのは人員不足です。客足が回復してきた今、多くの飲食店が同じ悩みを抱えているのではないでしょうか。そこで、スタッフが長く活躍し続ける環境づくりに、口コミを活かせないか考えているところです。
例えば現在、現場は店舗営業に集中できるよう口コミへの返信対応は任意としているのですが、そんな中でも丁寧に返信をするスタッフがいるなら評価してもいいんじゃないかと考えています。一見後回しにしがちですが、店舗のファンづくりという意味では、とても重要な取り組みですからね。
そのほか、店舗の星の数や口コミの内容などと、店舗のスタッフの定着率には相関があることが最近わかってきました。お客様からの評価が高い店舗ではスタッフが定着し、活躍する。逆もまた然りで。つまり、口コミを一つの指標としてお客様満足度を高めていくことは、店舗営業と、人の採用や定着、どちらにおいても重要だと思うんです。
まだ探り探りではありますが、様々な観点から口コミ施策の領域を広げていきたいと思っています。
そういえば、弊社サポートスタッフとのミーティングには、現場のスタッフの方々にも積極的に参加を呼びかけていますよね。それも何か狙いがあるのでしょうか?
はい、今やっているマーケティング施策を担う、後進の育成に注力したいと思っているんです。ここまでで話したとおり、デジタルマーケティング施策は飲食店の成長に不可欠なものです。それを私一人が担うのではなく、スタッフたちに任せていくことで、お店に共有する速度も早めることができますし、何より気付きや理解が深まります。事業成長を加速させるとともに、スタッフたちの成長も支援できたらいいな、と。
というのも、実は私自身、アルバイトから入社して現在のキャリアまで、会社から沢山のチャンスを頂いてきた身ですので。次は自分が後進へチャンスを用意する側として、現場のスタッフをデジタルマーケティングの会議に参加させたり、SNS担当のポジションを作ったりしている次第です。
今後も引き続き口コミコムを使った口コミマーケティングを武器に、私以外のメンバーも積極的に巻き込みながらより良い店舗づくりに取り組んでいきます。