デジマの経験なしでも簡単に分析。今後は「民主化」して社員誰もが使えるようにしたい

コンシューマーマーケティング部 阿部さん/間瀨さん/禹さん

お話を伺った方:コンシューマーマーケティング部 阿部さん/間瀨さん/禹さん

生々しいお客様の声と向き合うために、Googleマップの口コミが重要だった

まず、御社がどんな会社なのか、また、阿部さん・間瀨さん・禹さんは普段どのような業務をされているのか、伺ってもよろしいでしょうか。

阿部さん:

 弊社はパフォーマンスアスレチックブランド「アンダーアーマー」の日本総代理店として、アパレル・フットウェアを中心にスポーツプロダクト事業を展開しております。米国アンダーアーマー社とのパートナーシップのもと、最新商品のグローバル展開、および国内向けに開発した専門商品の展開を行っています。

 その中で私たちコンシューマーマーケティング部は、お客様へ商品の世界観・メッセージを届ける役割、そして実際にお客様がどのように感じたのかを調査する役割を担っています。具体的には、広告やオウンドメディア、アーンドメディアの企画・運営であったり、お客様アンケートなども行っています。

間瀨さん:

 私は、アプリや広告などを通じてお客様と直接コミュニケーションをとっています。データを分析しながら、どのようにコミュニケーションをとっていくかをプランニングしたりしています。

禹さん:

 私も、間瀨と同じ業務なのですが、主にお客様アンケートを担当しております。既存のお客様向けに商品やアプリに関するアンケートを実施したり、新規のお客様向けに「アンダーアーマーについてどう思うか?」などを伺うアンケートを実施しています。

▲コンシューマーマーケティング部 Head Of Consumer Marketing 阿部敏さん

お客様とのコミュニケーションを重視されているんですね。そんな中で、「口コミコム」を導入いただいたのは、どういったきっかけだったのでしょうか。

阿部さん:

 きっかけは、口コミの活用・分析に興味を持ったことでした。近年、「お客様の行動」が大きく変化していると感じています。弊社の店舗へお越しいただくお客様の層も変わりましたし、そもそも店舗へ行かずに購入されるお客様も増えてきたことから、どんな店舗にしていけばお客様のニーズとフィットするのか、部署を超えてみんなで議論しました。その中で、お客様のニーズを把握するためにGoogleマップの口コミが有用なのではないかと、興味を持ち始めたんです。

以前は別の形でお客様のニーズを把握されていたのでしょうか?

阿部さん:

 はい、実際に店舗でお客様インタビューを実施したこともありました。新しい発見もあり有益ではあったのですが、店員が直接伺うのもあってお客様の率直なご意見を聞くのは難しく、ネガティブなことはそこまで出てきませんでした。一方で、Googleマップの口コミには、ポジティブなことも、ネガティブなことも、多く寄せられます。なので、お客様の”生々しい声”を把握するには、Googleマップの口コミが有用なのだろうと感じました。

 また、カスタマーセンターも設置していますが、カスタマーセンターにいただくお客様の声は、どうしてもクレームが多くなってしまいます。インタビューで聞く”ポジティブなお客様の声”とカスタマーセンターにいただく”ネガティブなお客様の声”、その中間を把握しておくことが、クレームなどを未然に防ぐことにもつながると考えたんです。

 Googleマップの口コミはいつでも書き込みができるため、いつでもお客様の声を把握することができます。率直な声を常時把握・蓄積できるということは、我々にとっては有効な打ち手になるだろうと考えました。

間瀨さん:

 そういえば他にも、お客様の声を把握していく過程で、お客様と同様のアンケートを社員向けにも実施したことがありましたね。その結果、「社員は商品を探せるけど、お客様は探せない」や「社員は接客に満足していないと思っているけど、実際のお客様は満足いただいている」など、私たち社員の認識とのギャップも多いことがわかりました。なので、口コミなどのお客様のご意見を聞ける場は重要視しています。

▲(左)コンシューマーマーケティング部 禹貞喜さん/(中)同部 Head Of コンシューマーリレーションチーム 間瀨有紀さん

これまで、Googleマップの対策、いわゆる「MEO対策」と呼ばれるような施策は、実施されていたのでしょうか。

禹さん:

 全店舗分のGoogleビジネスプロフィールのオーナー登録はしていました。ただ、全然活用はできていなかったですね。Googleビジネスプロフィールの管轄部署が決まっておらず、気付いた人がオーナー登録をして、情報整備・更新をしていたので、バラバラに管理されていてGoogleビジネスプロフィールの状況を把握できていませんでした。

その後、口コミコムを導入する前に30店舗以上を本部で一括管理できるようにはなったのですが、それぞれの店舗の情報を整備して、発信するところまで手が回らなかったんですよね。

 そんな状態でも意外に口コミがたまっていたので、「ちゃんと情報整備して活用したら、もっと口コミが集まるのではないか」と思い、何か施策をやりたいなと思っていました。

阿部さん:

 Googleマップの情報はお客様とのコミュニケーションの1つにもかかわらず、正しい情報にできていなくて、もどかしさはありましたね。ただ、どうしても人力では追いつかない部分ではあったので、口コミコムを使って、一括管理・更新できる環境を整えようと思いました。

「Googleビジネスプロフィールの閲覧者数」と「店舗の来店数」が相関していた。店舗も巻き込んで対策強化へ

実際に口コミコムが役立っていることや、導入したことによる変化などはありますか。

禹さん:

 まず、店舗の情報を一元管理できるのは、やはり楽ですね。各店舗から店舗情報の変更依頼をもらうのですが、それらを1つの管理画面から全店舗更新・管理できるので助かっています。

 また、アンケート機能で簡単に集計・分析できるのも助かっています。簡単な分析であればデフォルトの機能で把握できるので、これまでアンケートを実施する度に発生していた分析時間が短縮されました。

間瀨さん:

 投稿機能もよく使わせてもらっています。これまで、キャンペーンの情報などはアプリやメールなどで告知をしていました。ただ、それだとアプリ会員・メール会員にしか案内できないので新規のお客様にお知らせできないですし、地域限定・店舗限定のキャンペーン情報を、「その店舗の情報を見たい人”だけ”」に届けることもできていなかったんです。

 その点、口コミコムでは店舗別に投稿ができ、特定の店舗に興味がある人に届けられるので、効果的に発信できていると感じています。

 投稿の作業は基本的に禹さんにお願いしていますが、私が臨時で対応したときも、マニュアルなどを読まなくても直感的に使うことができて、UI/UXの使い勝手もいいなと思いました。

ありがとうございます。Googleビジネスプロフィールの分析機能はいかがでしょうか。

禹さん:

 私はこれまでデジタルマーケティングの経験はなかったので、分析には不安がありました。ですが、口コミコムにはGoogleビジネスプロフィールの閲覧者数や口コミのキーワード分析など、分析に必要な情報が揃っていますし、簡単な分析は口コミコムが自動で実施してくれるので助かります。口コミコムで取れるデータを活用し、御社にアドバイスいただきながら、分析レポートを作ることができました。

 分析レポートでわかったことなのですが、口コミコムで確認できる「Googleビジネスプロフィールの閲覧者数」の推移と、自社で持っている「店舗の来店者数」の推移を突合したところ、綺麗な相関関係があったんです。Googleビジネスプロフィールを活用して閲覧者数を増やすことは、店舗の来店者数を増やすことにもちゃんと繋がるんだな、と感じました。

禹さん:

 「Googleビジネスプロフィールの閲覧者数を増やせば、店舗の来店者数が増える」ということがわかったので、社内でも施策の展開がしやすくなりましたし、私自身ももっといろいろな施策をやってみたいなと思うようになりましたね。

デジタルツールを「民主化」していく。口コミコムがその走り出しに

今後はどういった施策に取り組んでいきたいですか。

阿部さん:

 先日、グローバルの社内関係者が来日する機会があったのですが、その方から「店舗のスペルが違う」という指摘をもらいました。これまで、外国語からの見え方を意識したことがなかったのですが、インバウンド対策は弊社としても強化していきたい領域で、御社はインバウンドも強いかと思いますので、これから対策できたらと思っています。

禹さん:

 口コミも、海外の方の口コミ投稿が増えてきているので、対策できたらいいですよね。

その他にはいかがでしょうか

禹さん:

 投稿など今できている活動は継続しつつ、SNSなどと連動しながら口コミの数を増やしていきたいです。また、最終的には口コミコムを店舗側にも使ってもらいたいです。口コミの確認だけではなく、口コミ返信も実施して、口コミコムを通じてお客様とのコミュニケーションをとってもらえたらと思っています。

間瀨さん:

 私は、口コミを通じて店舗改善などをすることで、アンダーアーマーの世界感がより伝わったり、”あの店舗に行けばアンダーアーマーのことが知れる”という場所に育ってくれたら嬉しいなと思っています。

阿部さん:

 口コミコムをはじめとした店舗のデジタルツールは、本部がすべて握るのではなく、社員なら誰でも使えるように「民主化」していきたいと思っています。店舗側主体でPDCAサイクルが回るようになることで、できるだけ早くお客様に価値提供できるような環境を創っていきたいと思っています。