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GoogleマップとiPhoneのマップどっちがいい?大きな4つの違いとは?

Googleマップ GoogleマップとiPhoneのマップどっちがいい?大きな4つの違いとは?

iPhoneの「マップ」(Apple Maps)とGoogleマップは、どちらも数多くのユーザーに使われている地図サービスです。

iPhoneの「マップ」とGoogleマップを研究しているjustinobeirne.comでは、iPhoneの「マップ」利用者は全世界で2億人から6億人と推測しています。また、GoogleはGoogleマップの月間利用者(MAU)を20億人以上としています。

iPhoneの「マップ」とGoogleマップはどちらも地図検索やルート案内などの機能を搭載していますが、iPhoneの「マップ」ではストリートビューに類似した機能として「Look Around」、詳細な3Dマップ機能(従来の「Flyover」を発展させたもの)などが提供されています。

2つの地図サービスの違いを知っておくことは、地図サービスを活用したローカルマーケティングを実施する際に役立ちます。

今回の記事では、iPhoneの「マップ」とGoogleマップの違いを徹底比較します。

関連記事:Googleマップ集客を成功させるMEO対策とは?始め方から集客のポイントまで徹底解説

iPhoneの「マップ」とは

iPhoneの「マップ」ことApple Mapsは、Appleが提供している地図サービスです。iPhoneでは「マップ」という名称で、端末に標準搭載されています。

2012年から提供されており、iPhone以外にもiPad, iPod touch, Apple Watch, MacなどのApple製デバイスで利用できます。

StatCounterの2025年9月のデータによると、日本のスマートフォン市場におけるiOSデバイスが占める割合は約58.6%となっています。

<参考>
StatCounter:Mobile Operating System Market Share Japan

過去には不具合が話題となるも、2020年には大型アップデートがリリース

初代iPhoneが発売されたのは2007年ですが、当時のiOS(当時の名称はiPhone OS)が搭載していた「マップ」はGoogleマップの地図情報を用いていました。

その後、2012年にiOS 6が公開され、この時に「マップ」が独自の地図情報を用いるものに更新されました。

しかし、公開当初は店舗や施設、道路などの位置情報や名称に間違いが多く、更には実在しない施設が地図上に出現するなどの不具合があり物議を醸しました。

このような不具合は世界中で発生したため、AppleのCEOを務めるティム・クック氏はApple公式サイトに謝罪文を掲載し、不具合が改善するまでの間はGoogleマップなどほかの地図サービスを使うようユーザーに案内するなど、Appleとしては異例となる措置が採られました。

翌年公開されたiOS 7よりiPhoneの「マップ」は徐々に改善を重ね、現在ではGoogleマップと地図サービス市場を奪い合うほどの実用性を備えています。

iOS 15では更に機能が強化、3DマップやARナビが登場

2021年9月27日に発表されたアップデートでは、3DマップやAR技術を活用したナビゲーション機能が追加されました。

▲WWDC 2021で発表された3Dマップ:Appleより

最も大きな変更点としては、マップが3Dになったことです。これにより地形や道路、ランドマークなどが立体的に表示されるようになったほか、複雑なインターチェンジも視覚的にわかりやすく把握できるようになります。

また、公共交通機関のルート案内を利用する際、駅の出口にてiPhoneで周囲の建物をスキャンすると正確な現在地が検出され、画面上にAR(拡張現実)を用いたルート案内が表示されるようになりました。

ARナビでは、カメラで記録した周囲の景色の上に進む方向を示す矢印や通りの名前などが表示されます。

そのほかにも、Apple Watchと連携し、ルート案内の際、降車が近づくと、装着しているApple Watchから通知される機能も新たに加わっています。

こうした機能は、2022年1月現在、ロンドン、ロサンゼルスなどの一部地域のみの対応となっています。

ARナビゲーションと自転車ルートが日本に対応 (2022年 / iOS 16頃)

海外限定とされていたAR(拡張現実)による徒歩経路案内は、2022年5月頃より日本国内でも提供が開始されました。当初は東京の一部で利用可能でしたが、その後、大阪、京都、名古屋など対応都市は20都市以上に拡大しています。

また、Googleマップの「ストリートビュー」に相当する「Look Around」機能(周囲の風景を360度見渡せる3D体験)も、2020年から日本の主要都市に対応しており、この画像データがARナビの基盤となっています。

オフラインマップ機能の追加(2023年 / iOS 17)

iOS 17のアップデートでは、「オフラインマップ」機能が追加されました。

ユーザーは特定のエリアの地図をあらかじめiPhoneにダウンロードしておくことで、携帯電話の電波が届かない山間部や地下、または通信量を節約したい場合でも、地図の閲覧やターンバイターン(逐次経路案内)ナビゲーションを利用できるようになりました。

ハイキングや登山に役立つ地形図の導入(2024年 / iOS 18)

iOS 18では、ハイキングやウォーキングに特化した機能が強化されました。

等高線や標高、登山道などの詳細情報を含む「地形図」が利用可能になり、オフラインでも使用できます。

また、ユーザー自身でハイキングコースを作成して保存し、Apple Watchと同期してナビゲーションに利用することも可能になっています。

<参照>

Apple Newsroom:Apple Maps introduces new ways to explore major cities in 3D

Googleマップとは

Googleマップは、Googleが提供している地図サービスです。Web版とアプリ版が存在し、PC、タブレット、スマートフォンなどの幅広い端末でOSを問わず利用できます。

Googleマップは2005年から提供されており、Googleによると現在の月間利用者(MAU)は20億人以上とのことです。

iPhoneの「マップ」と同じくナビゲーション機能を備えているほか、3Dモデルの地図を探索できる「Google Earth」や店舗や施設の情報を登録できる「Googleビジネスプロフィール」などの機能が存在します。

機能更新も活発、Google I/O 2021では5つの新機能が追加

Googleマップの機能更新は比較的頻繁に実施されており、ほぼ毎月新たな機能が追加されています。

2021年に開催されたGoogle I/O 2021では、地図やルート案内に関する5つの新機能が発表されました。

▲Google I/O 2021で発表された新しいライブビュー:Google The Keywordより

AIの統合で劇的に進化、機能更新も活発

Googleマップの機能更新は非常に活発で、特に近年はAI技術の統合により、単なる地図アプリを超えた「場所を検索・探索するためのツール」へと進化しています。

2021年以降の最も大きな進化の一つが「イマーシブビュー」です。

イマーシブビュー

これは航空写真やストリートビューの画像、AI技術を組み合わせ、街並みや有名なランドマークを詳細な3Dモデルで再現する機能です。

ユーザーは上空から街を眺めるだけでなく、タイムスライダーを動かして特定の時間帯の天候や混雑状況(交通量)をシミュレーションしたり、ルート検索(経路案内)自体を3Dで確認したりできます。

2024年以降、Googleの生成AI「Gemini」がマップに統合

Googleの生成AI「Gemini」がマップに統合されたことにより、従来の「近くのカフェ」といったキーワード検索だけでなく、「雨の日に友達と過ごせる場所」といった曖昧な質問に対しても、AIが口コミや情報を分析し、最適な場所の候補を提案してくれるようになりました。

また、スマートフォンのカメラをかざすと、現実の風景にARで情報を重ねて表示する「レンズ(旧AR検索)」機能も強化されています。

カメラを周囲に向けるだけで、付近の店舗やランドマークの営業時間や評価を即座に確認できます。

<参考>

Android.com:3D でルートや周辺をリアルに探索できる Google マップの「イマーシブビュー」を使ってみよう!

iPhoneの「マップ」とGoogleマップ、4つの違い

iPhoneの「マップ」とGoogleマップには、類似した機能が数多く存在します。ここでは、両者の代表的な機能を4つのポイントで比較します。

1. 360°の風景機能:「Look Around」 vs 「ストリートビュー」

どちらも道路沿いの風景を360°見渡せる機能で、行き先の外観を事前に確認するのに役立ちます。

Googleマップの「ストリートビュー」は2007年から提供されている老舗機能です。

その強みは圧倒的なカバレッジ(対応範囲)にあり、日本全国のほぼすべての公道、さらには観光地や施設内の通路まで対応している場所も多く、情報量で他を圧倒しています。

一方、iPhoneマップの「Look Around」は2019年に登場した後発機能です。強みは品質と操作性で、ストリートビューよりも高解像度で滑らかに移動できるのが特徴です。

Look Around

2022年当初は10都市のみの対応でしたが、現在は全国の主要都市、多くの都道府県、および高速道路網をカバーしており、実用性が大幅に向上しています。

また、地図とLook Aroundの画面を同時に表示できるため、「今、地図上のどこを見ているか」が分かりやすいのも利点です。

2. 3Dマップ機能:「詳細な都市体験」 vs 「イマーシブビュー」

上空から街を眺める3D機能は、両者で最も進化が著しい分野です。(※注:従来Appleが提供していた「Flyover」は、より高精細な新機能に置き換わりました)

iPhoneマップが提供する「詳細な都市体験」は、iOS 15 (2021年) 以降、東京、大阪、京都、名古屋など国内主要都市で利用可能です。

この機能の強みは、単なる3Dモデルではなく、ナビゲーションと高度に融合している点です。

道路の車線、横断歩道、樹木などが詳細に再現されており、特に運転ナビゲーション中にこの3Dマップが表示されると、複雑な高速道路の分岐が非常に分かりやすくなります。

一方、Googleマップの「イマーシブビュー」は、2023年頃から東京タワーや京都の寺社仏閣などの主要ランドマークで導入されています。

最大の特徴は、AIによる圧倒的な情報量とシミュレーション機能にあります。

ストリートビューと航空写真をAIで融合させてリアルな3D空間を再現し、タイムスライダーを動かすことで「明日の15時の天気」や「夜の混雑状況」を視覚的にシミュレーションできます。

3. 評価と口コミ

店舗や施設選びに欠かせない口コミ機能も、根本的な思想が異なります。

Googleマップの「クチコミ」は、「ローカルガイド」制度によって世界最大級のデータ量を誇ります。評価は5段階の星評価で、口コミは高評価/低評価順や時系列で並べ替えが可能です。

対してiPhoneマップの「評価」は、2021年頃から独自のシステムが本格導入されました。

Appleの強みは「キュレーション(収集)」にあり、独自のシンプルな評価(賛否)と写真投稿に加え、「食べログ」「じゃらんnet」など他社サービスの口コミも同時に集約・表示するため、複数の情報を一度に確認できます。

関連記事:Google口コミ返信の完全ガイド!そのまま使える口コミへの返信例文と効率化する方法を解説

4. Apple Business ConnectとGoogleビジネスプロフィール

Apple Business ConnectもGoogleビジネスプロフィールも、事業者が店舗や施設の情報を地図上に登録するためのサービスです。かつての「Apple Maps Connect」は、2023年に「Apple Business Connect」へと刷新されました。

「Googleビジネスプロフィール(GBP)」は、ローカルSEO(MEO)の中心的なツールです。基本情報に加え、メニュー、商品、最新情報の投稿、詳細なアクセス分析など、非常に多機能で強力な集客・分析ツールとして機能します。

「Apple Business Connect」は、GBPに比べると機能はシンプルですが、リニューアルによって大幅に強化されました。

基本情報に加え、「ショーケース」という機能で期間限定のオファーやイベント情報などを投稿できるようになり、Apple Payへの対応状況も設定できます。

機能の豊富さや集客ツールとしてはGoogleが強力ですが、iPhoneユーザーへの訴求力を持つAppleも、事業者にとって無視できない存在に成長しています。

関連記事:Googleビジネスプロフィールとは?初心者向けにメリットや登録方法を徹底解説

iPhoneの「マップ」向けローカルSEOで知っておきたいこと

iPhoneの「マップ」やGoogleマップなどの地図サービスにおいて、自らの店舗や施設が検索結果の上位に表示されるような対策を「ローカルSEO(またはMEO)」と呼びます。

ローカルSEOは主にGoogleマップに向けて実施されていますが、国内にはiPhoneの「マップ」を利用するユーザーも数多く存在するため、iPhoneの「マップ」に向けたローカルSEOも無視できないものとなっています。

ここからは、iPhoneの「マップ」においてローカルSEOを実施する上で気をつけておきたいポイントを紹介します。

1. iPhoneの「マップ」には各口コミサービスの口コミが表示される

iPhoneの「マップ」には、Booking.com, Foursquare, Yelp, じゃらん、食べログ、トリップアドバイザーなどの口コミが表示されます。

そのため、各口コミサービスに店舗や施設が登録されていないと口コミが表示されず、ユーザーに店舗や施設の様子が伝わりづらくなってしまいます。

iPhoneの「マップ」の機能をフル活用するには、自社の業種に合わせた口コミサービスにあらかじめ登録しておくことがおすすめです。

なお、先述の通り、2021年4月よりiPhoneの「マップ」でもユーザーが評価と写真を投稿できるようになりました。

現在は一部店舗でしか評価の公開は確認されていませんが、Googleマップの「クチコミ」機能のような形の口コミプラットフォームが形成される可能性があります。

そのため、今後はiPhoneの「マップ」でも口コミの管理や返信などの対応が必要となる可能性を意識しておくとよいでしょう。

2. Googleビジネスプロフィールとの併用を

先述した通り、iPhoneの「マップ」に情報を登録するにはApple Business Connectが利用できます。

Googleマップは地図サービスの中では最大となるユーザー数を持っており、国内でも相当数のユーザーがGoogleマップを日常的に利用しています。

そのため、Apple Business Connectと同時にGoogleビジネスプロフィールにも登録すれば、より多くのユーザーに自社の店舗や施設を見てもらえる可能性が高まります。

ローカルSEOを実施する際にはiPhoneの「マップ」とGoogleマップの両方を意識し、Apple Business ConnectとGoogleビジネスプロフィールの双方を活用するとよいでしょう。

iPhoneユーザー向けのローカルSEOにはApple Business Connectも活用しよう

iPhoneの「マップ」には定期的に新機能が追加されており、今日では日常利用に差し支えのないほどの地図サービスとなりました。

ユーザーが店舗や施設の評価を投稿できるようになるなど、口コミ周りの機能も向上を図っていることがわかります。

ローカルSEOではGoogleマップやGoogleビジネスプロフィールが重視されがちですが、iPhoneの「マップ」やApple Business Connectに向けたローカルSEOも同時に実施することで、より多くのユーザーに自社の店舗や施設を見てもらえることにつながります。

今後、iPhoneの「マップ」は口コミプラットフォームとしての側面も持つようになる可能性があります。

iPhoneユーザー向けのローカルSEOにはApple Business Connectも活用し、ローカルSEOを盤石のものとしましょう。

<参考>
justinobeirne.com:How Many People Use Google Maps Compared to Apple Maps?
Google Maps for iPhone:Google Maps Metrics and Infographics

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