「口コミコム」で施策の定量的な効果測定とフィードバックの循環を構築

ダイニング事業部 カジュアルダイニンググループ・ジャパニーズブランド担当 マネジャー 大根田様 / ダイニング事業部 カジュアルダイニンググループ・ジャパニーズブランド担当 アシスタントマネジャー 兼 支配人 松本様

お話を伺った方:ダイニング事業部 カジュアルダイニンググループ・ジャパニーズブランド担当 マネジャー 大根田様 / ダイニング事業部 カジュアルダイニンググループ・ジャパニーズブランド担当 アシスタントマネジャー 兼 支配人 松本様

まず、御社がどんな会社なのか、教えていただいてもよろしいでしょうか。

大根田さん:

当社には3つの事業があります。1つ目はしゃぶしゃぶ・すき焼き専門店である「モーモーパラダイス」や、クラフトビール専門店の「YONAYONA BEER WORKS」、シュラスコ料理店である「バルバッコア」などを展開するレストラン事業。

2つ目は海外で当社のオリジナルブランドを海外で展開する海外事業、3つ目は自宅や会社で当社のレストラン体験を提供するホームダイニング事業です。 これらの事業を通じて、「ブランド」と「人財」を最大限に活用し、国内外に高品質なダイニングカルチャーを提供しています。

大根田さん、松本さんの普段の業務内容について教えてください。

大根田さん:

「モーモーパラダイス」、「鍋ぞう」、「天吉屋」の3ブランドの統括をしており、事業展開、戦略の方向性とブランドの軸をぶらさずに、経営や数字の管理、人材育成、プロモーションなど、総合的なマネジメントを行っています。

松本さん:

私は「鍋ぞう」の都心5店舗を担当しており、業績の進捗管理や現場力の向上を支配人と共に進めています。

御社のマーケティングやブランディングについてお伺いさせてください。

大根田さん:

進め方に関しては、本部の部署が全体の調整を進めながら、各ブランドごとの特色を生かした独自の企画立案をしています。

我々が最も大事にしているのは来店されたお客様による口コミです。当社のブランドには、それぞれブランドストーリーというものがあります。ブランドの成り立ちや大切にしている価値観、ブランド(店舗)の存在意義といったものです。従業員がブランドストーリーを理解し、店舗運営を通じて、ブランドごとの価値観を体現します。

ご来店くださったゲストがご満足いただければ、自ずとご友人や知人の方に店舗やブランドを紹介をしてくださったり、一緒に来店してくださいます。あえて紹介を促進するアプローチはこちらからはしていません。

松本さん:

また、アルバイトの方も含めた全従業員が携帯しているビジョンカードというものもあります。リッツカールトンのクレドを参考にワンダーテーブルのビジョンカードが作られました。10年以上前から存在し、時代に合わせて、常に更新もしていっています。

朝礼やミーティングの場でも、価値観の体現を目的に、ビジョンをもとにディスカッションなどを行ってます。

弊社と取り組みをさせていただいているMEOや口コミ、インバウンド対策に関してもお伺いさせてください。初めに「口コミコム」導入前はどのようなお取り組みをされていたのでしょうか。

松本さん:

店舗管理、GoogleMaps対策に関しては、「口コミコム」導入前は、2015年から海外製の別のツールを使ってました。日本語表記への対応が十分ではなく、社内での活用が中々進みませんでした。閲覧者数等の数値は確認していましたが、それをどう改善していくべきなのか、ノウハウがありませんでした。

コロナ前のインバウンド対策に関してはトリップアドバイザーが中心でした。トリップアドバイザー上で画像を投稿することから始めて、口コミの獲得も積極的に進めていました。

口コミを見ていると、言語対応に課題があることがわかったので、外国語の話せるスタッフの採用を進めました。英語、韓国語、中国語の話せるスタッフを、各シフト帯を網羅できるように、トレーナーも含めて30−40名はいるようにしていました。

そうした活動を進めている中で、トリップアドバイザーのエクセレンス認証に「鍋ぞう」が選ばれたりしました。

外国人の方には、日本人が普段食している形式で鍋料理を体験することが一番喜ばれました。それも口コミからわかったことです。

コロナ前から多言語への対応を含めて、積極的にインバウンド対策を進められていたんですね。

大根田さん:

「モーモーパラダイス」は1993年の開業当初、単価が1,500円でした。それが仕入れ価格や外部環境の変化によって、単価は3,000−4,000円になりました。そうなると、ターゲットも変えていかざるを得ない。日本国内のマーケットのトレンドやインバウンドの増加、単価を踏まえ、メインターゲットをインバウンドに据えたのです。

日本国内だと、「鍋」は冬のイメージが強く、繁忙期と閑散期がはっきり分かれます。閑散期にはスタッフが別ブランドに異動するほどです。

シフトに入れないとなると、人材の定着が難しく、その分、採用のコストもかさみます。その閑散期を埋めるという意味でもインバウンド対策は必須でした。

対策を続けていくと、夏は中国からの団体ツアーのゲストで席が埋まる様になりました。中華圏の情報誌に掲載され、情報が拡散していったようです。海外のゲストも団体からFITに変遷していく中で、団体で来てくれたゲストがFITで再来店されるという循環も作り出すことができましたね。

「鍋ぞう」ブランドから「モーモーパラダイス」への転換を進められていますが、インバウンド対策の観点でしょうか。

大根田さん:

国内に展開している「鍋ぞう」を「モーモーパラダイス」へリブランドする取り組みを進めているのですが、リブランドは長期的な視点で判断しました。ワンダーテーブルにおけるしゃぶしゃぶ・すき焼き専門店の海外展開は「モーモーパラダイス」で進めてきており、既に77店舗もあります。もちろん変えることで、売上が落ちる可能性もありましたが、海外での知名度も踏まえて、今決断すべきだと思いました。

画像左は松本さん、画像右は大根田さん

コロナを経て、インバウンドの市場は再び大きく拡大していっています。このタイミングで「口コミコム」を導入いただいた理由を教えてください。

大根田さん:

コロナが落ち着いてきたあと、少しずつ訪日外国人の方が戻ってきたのですが、戻ってくる店舗と戻ってこない店舗がありました。分析した結果、戻ってきている店舗はマップでの評価が高いことが見えてきました。

しかし、GoogleMapsやMEOに関する知識が不足していました。なぜそうなのか、どうすれば改善していけるのかを専門家から教えて欲しいと思ってました。

私がmovが運営しているインバウンドニュースメディアである「訪日ラボ」をよく使わせていただいていた背景もあり、「口コミコム」の話を聞いたところ、インバウンドも含めた専門的なアドバイスが受けられると感じ、トライしてみようと決断しました。

使っていく中で、従来のツールと比較して、とても使いやすいと思いました。わかりやすい管理画面が素晴らしかった。現場にヒアリングしたら、同様の意見が多く、本導入を決めました。

UI/UXを評価いただき、ありがとうございます。現場の方にも導入したいと言っていただけたのは、とても嬉しいです!導入後はどのような変化がありましたでしょうか。

大根田さん:

確認するのが簡単なので、口コミをリアルタイムで見る習慣がつきました。以前のツールだと多くて週1日、基本的には月イチでの確認でした。

松本さん:

投稿周りの機能はとても助かってます。「繰り返し投稿」、「ハッシュタグ連携」をよく活用してます。投稿数は激増しました。投稿に関して、どんなキーワードを選定して、どう含めればいいのかの具体案も教えてくれるのもありがたいです。以前はできていなかった多言語投稿での投稿も自主的に進めてます。

大根田さん:

施策の定量的な効果測定と可視化によるフィードバックの循環も回ってきています。例えば「笑顔で魅了しよう」というテーマを掲げ、接客の際に笑顔を意識しているのですが、キーワード分析で、実際の口コミに「笑顔」というコメントが増えていることがすぐわかりました。

今までは口コミの分析や数値化がとても大変だったこともあり、できていないこともありました。それがとても楽になったので定性と定量セットで現場にフィードバックできるようになりました。

「AIサマリ機能」を活用すると、よく言及されていて、お客様に褒められることの多いスタッフの名前もわかるのはすごいですね。

松本さん:

お客様に自己紹介カードを配る様にしているので、名前を覚えていただきやすいのもありますが、頻出キーワード上位50にスタッフの名前が入っていました。含まれている口コミも一覧で見れるので、スタッフにフィードバックすることも容易で、より頑張ろうとモチベーションもあがりました。

具体的な取り組みに対する口コミがとても増え、それが見える様になった。取り組みがお客様にしっかり届いて、それが口コミという形で返ってくる。スタッフに具体的に共有することで、モチベーションが上がり、更に取り組みの精度があがります。

このサイクルを回すための可視化が「口コミコム」のおかげでできています。現場力、参画力の向上に「口コミコム」は貢献してくれています。

最後に今後の展望や「口コミコム」、「訪日ラボ」への期待を教えてください。

大根田さん:

インバウンドマーケティングや海外展開をもっと進めていきたいと思っています。海外の店舗に来店していただいたゲストに、日本の本店に行きたいと思わせるグローバルな展開を進めていきたいです。

「口コミコム」、「訪日ラボ」に対する期待としては、インバウンドに関する定量的、定性的な情報をもっと共有いただけると嬉しいです。共有頂いた情報をもとに対策を更に進化させていきたいですね。

松本さん:

現場視点では、取り組みと結果の関連性がより明確になると、現場の納得度が高まります。投稿や返信をどこまでやればいいのかの目標の精度をよりあげていけると嬉しいです。

GoogleMapsの特性上、比較対象はエリア内での同業他社になりますので、今後は競合分析なども一緒に進めていけると幸いです。

松本さん

競合との比較や分析をすることで、私たちの強みや、もっと伸ばせる点が見えてくるはずです。私たちのブランドビジョンやインバウンドマーケティングをさらに磨いていけるのではないかなと思っています。

口コミアカデミーで公開されていた「インバウンド人気飲食店ランキング[渋谷編]」では1位を獲得できなかったので、悔しい思いをしました笑

口コミアカデミー「インバウンド人気飲食店ランキング[渋谷編]」

インバウンド対策や口コミ対策がうまくいっている店舗の事例をもっと知りたいです。インバウンド人気飲食店ランキングも1位を目指していきたいと思います!引き続きよろしくお願いします。